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未曽有の被害をもたらした台風19号。わたしたちは、これまでの常識が通用しないことを知りました。

あれから1カ月、1人の命も失わないために何をすべきなのか。
「Live News it!」では、被災された方々のさまざまな声から、その答えを探ります。

今回取材したのは、浸水被害に遭い200人以上の人が一時取り残された、埼玉・川越市の高齢者施設。
ここは、ハザードマップの赤に示されたエリアに建っています。

同じような危険に直面している場所は、全国的にも少なくない中、この先も想定されるより大きな水害からどう暮らしを守るのか、被災地からの提言です。

相次ぐ河川の決壊など、甚大な被害をもたらした台風19号。
あの日から、まもなく1カ月。
被災した高齢者施設を訪ねた。

川越キングス・ガーデンの渡邉圭司施設長
「車いすの方はそのまま座ったまま4~5名で抱えてとか、寝たきりの状態のままの方は毛布とかタオルケットに包むように、担架のようにして階段を(上がった)」

埼玉・川越市内を流れる越辺川が氾濫した影響で、入所者・職員あわせて124人が一時孤立状態となった特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」。

濁流は、施設1階に流れ込み、水位はおよそ1m50cmまで達した。

渡邉施設長
「(中もまだ若干臭いが?)臭います。おそらく、この壁の中がこれからカビてきますから」

施設内部の泥は取り除かれ、再建への作業は順調に見えるが、2019年2月ごろに、およそ1,000万円かけてリニューアルしたトイレ、そのほか、風呂場や厨房器具、介護用の電動ベッドなどが故障。
加えて、浸水した1階部分の電気系統も、ほぼ全てがだめになった。

施設の再建には、建物を新築するのと同じ程度の費用がかかるというが、再建できても自然災害の不安がなくなるわけではない。

川越市が公表している洪水ハザードマップによると、この施設は3~5メートル未満の浸水想定区域に建っている。

渡邉施設長
「こういう施設は土地の安いところ。ハザードマップの赤色のところに建てやすい」

土地代が安い場所だからこそ、高齢者施設などが建てやすいという現実。
この施設では、20年ほど前にも腰の高さまで浸水する被害が起きていた。

その後、浸水対策として、階段10段分の高さに土を盛り、2階建ての避難棟を増築。

自主的な避難訓練を重ね、今回、被災した際には、あえて近くの避難所ではなく、建物2階への垂直避難を決断し、全員が無事に救助された。

現在、ほかの施設に身を寄せている入所者たちは…。

渡邉施設長
「(入居者に不安は?)そういう声もあると思うが、わたしのところに届いているのは、早く戻りたいと、そういう方が非常に多くいらっしゃる」

高齢者施設をどう守るのか。
それは、日本全体に突き付けられた課題。

渡邉施設長
「わたしたちのこういう施設が、安全な場所に建っていたらと考えると、一般の方の避難所としてこの施設の建物を使っていただくことは、日本の防災を考えていくうえでは、現実的ではないかと思います」

(2019/11/08)

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